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 メディカル情報


■ 今回のテーマは、双極性障害について。

双極性障害とは

 うつ病と診断されていても、「気分がよくなりすぎる」など、うつ病とは思えない症状が現われることがあります。そのような場合は、双極性障害(そううつ病)という別の病気を発症している可能性があります。
双極性障害は、気分が高まって「自分が偉くなったように感じる」「眠らなくても平気」「金づかいが荒くなる」などの症状が現われる「そう状態」と、気分が沈む「うつ状態」が繰り返し現れる病気です。うつ状態から始まることが多く、うつ状態が現われている期間のほうが長いため、双極性障害であってもうつ病と診断されている患者さんは少なくありません。
診断の難しい病気です。

 
 治療の基本は、薬物療法です。中心となるのは「気分安定薬」と呼ばれるタイプの薬で、「リチウム」という薬が最もよく使われています。リチウムにはそう状態とうつ状態の両方を改善する効果があり、予防にも有効です。ただし、「下痢」「食欲不振」「口の渇き」「手のふるえ」などの副作用が比較的現れやすい薬なので、服用中は
36か月に1回ほど血液検査を受ける必要があります。ほかに、「バルプロ酸」「カルバマゼピン」「オランザピン」というが使われることもあり
ます。

 そう状態を防ぐためには、日常生活で早寝早起きなどの生活リズムを保つこと、大勢が集まる宴会など刺激の多い環境を避けることなども有効です。

双極性障害がうつ病と診断されやすいおもな理由は、「双極性障害の多くがうつ状態から発症すること」「そう状態を本人が病気だと自覚していないこと」です。しかし双極性障害は、うつ病とはまったく別の病気で、抗うつ薬では改善しにくく、薬によっては症状が悪化することもあり
ます。


 適切な診断を受けるためには、現在うつ病と診断されている人もそう状態の症状の有無を確認して、当てはまる場合には担当医に伝えてください。また、これまでにそう状態がなくても「抗うつ薬が効かない」「過眠・過食がある」「妄想を伴う」「うつ病を25歳までに発症した」「うつ病を何度も再発している」という場合には注意が必要です。



                                  加藤 忠文先生




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