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  鍼灸治療

 鍼灸治療は、腰が痛むから整形外科、胃腸の調子が悪いから内科というように、各疾患に直結した治療ではありません。自己治癒力に働きかけるので、メンタルな疾患も痔も、心身の状態に合わせた総合的な治療を全身におこないます。

・ あらゆる種類の急性疼痛、何年にもわたるあらゆる種類の慢性疼痛の改善。
・ 過労やストレスで疲れがとれない。
・ 緑内障や加齢黄斑変性症などの眼病治療、進行の抑制。
・ 病院の治療でなかなか改善しない(クローン病)などの消化器疾患。
・ 病院の検査で原因がよくわからない、耳鳴り、難聴や眩暈など。
・ 甲状腺機能亢進症(バセドウ病)などの内分泌が原因の疾患。
・ アレルギーや自己免疫疾患などの補完治療、症状の緩和。
・ 痔の改善。
・ うつ、 パニック障害、などのメンタル疾患、向精神薬の副作用など。
・ 冷え性、更年期障害でホルモン補充療法が合わない、使いたくない。
・ 生理不順で低容量ピルが合わない、使いたくない。
・ 逆子(骨盤位)、体操では効果がない。
・ 病院の検査でどこも悪くないのに、身体の調子が優れない。

 上記のような適応疾患が、鍼灸治療によって効果が出されています
■  WHO(世界保健機構)鍼灸適応症


■ 経絡治療

 「経絡」とは、頭から足の先まで走る体内エネルギー 「気」「血」 の通路であり、
「経穴」(ツボ)は駅のように存在し、経絡は、ツボとツボを結んだ線路とイメージしてください。経絡は、「経脈」 (身体の上下に直行する脈) と「絡脈」 (身体の左右に横行する脈) の略称で、体の内部では臓腑に、外部では体表に、ネットワークの様に全身を
14本の経絡がくまなく巡っています。人は、心身のエネルギー源である「気」「血」が、
正常な経絡を滞りなく流れることで健康を保っています。

 東洋医学では、この経絡が様々な原因で正常な働きができなくなり、弱ってしまったり反対に強くなってしまうと経絡のネットワークのバランスが崩れてしまい、心身に不調が起こり病気になってしまうと考えられています。
そして、鍼と灸を用いて、経絡とその経絡上の経穴(ツボ)を使い、崩れた経絡のバランスを正常な状態に調整して、滞ってしまった気血の流れを回復させることによって、自然治癒力を元気なときのように発揮させ、病気、身体の痛みや臓腑の不調を改善させる治療を、「経絡治療」と言います。

 「経絡学」 「経穴」(ツボ)学は、東洋医学の基礎となる理論の一つで、この理論なしには鍼灸治療はあり得ないほど重要です。
                             
  
                 
                  ■ 陰陽五行・相生相克図


■ 東洋医学と西洋医学の診断の違い

 西洋医学の診断方法が、発熱や頭痛などの具体的な症状や健康状態から原因を探り、病気の種類や病名を決定してから投薬などの治療方針を決めるのに対し、東洋医学では、何の病気であるかを見つけるために診断を行うのではなく、あくまでも経絡に現れた臓腑の変動を読み取り、心身の不調から発せられる「症候」を的確に捕らえることです。そして、経絡、心身から読み取った「症候」から、病態の本質、主たる病症を判断し、その「主症」に従って治療方針を決めます。
このように西洋医学と東洋医学では、診断方法という点でも病気に対する考え方が全く違います。

 東洋医学で行われる診断の一番の目的は、患者さんのつらい症状をどうすれば治すことができるかであり、そのためには、診断で得られた情報を元に、直ちに治療へと進まなければなりません。そして、診断によって決められた治療が行われれば、頭痛、発熱、腰痛、腹痛、めまい、嘔吐、不眠、不安などの症状を緩和し、また、消失させることと、病気に至った心身の不調の本質に対しての治療を、同時に行っているということになります。
西洋医学では、具体的な症状があっても、どこが悪くてその症状が発生しているのかという原因がわからず、病名を決めることが出来なければ、有効な治療方針も決められ
ません。

 西洋医学は、原因と結果に注目し、人体と疾病の関連を研究する科学の一つとして進化発展してきました。それに対し、東洋医学は、「こうやれば治る」ということから発生し、「治す」ことを主眼に、何千年もかけ、地球上の自然の中で生きてきた人間から得た膨大なデータと経験の積み重ねによって、発達してきた医学です。
                  
■ 随証療法

 隋症療法とは、東洋医学の診断によって得られた、経絡、臓腑の変動、心身の不調などの「症候」から「主症」を決め、その「主症」に従って治療する方法です。

 経絡、臓腑の変動、心身の不調が何かを的確に見極めることができれば、正しい
「主症」を決定することができ、最良の治療を行い、最大限の「自己治癒力」を発揮させることができます。
人間がこの社会を生きていくうえで、どうしても避けられない、身体の内と外から受ける様々なストレス、それによって起こる経絡の変動、そのために発生した心身の不調、これらを隋症療法によって治療します。

 伝統的東洋医学は「主証」に従って治療を行うことを「随証療法」と言い、鍼灸治療ではこれを最も大切にしています。

■ 脉診

 東洋医学で「随証療法」をするためには、「望診」「聞診」「問診」「切診」という「四診法」によって決められます。そして、脉診は切診に属し、切診とは、術者の手指をもって患者さんの皮膚に接して診察する方法で、腹心、撮診、背候診等も含まれます。

 この脉診は、臓腑や経絡の動静を脈差と脈状によって知覚するのに最も的確な方法で、「脉を診る」と言い、内臓の状態、病の状態、病の経過や病の予後等を脉によって把握することができ、治療方針を決定するうえで大変重要になります。

■ 標治と本治

 東洋医学の理論の一つに「標治」と「本治」という治療理念が有ります。
「標治」とは、痛む発熱したなど具体的な病気の症状に対して治療することを言います。「本治」とは、過労やストレス等によって心身の機能が弱り、病気に至った心身の不調の本質に対して治療することを言います。

 そして、鍼灸の治療原則は、「病は本に求める」と言われ、つらい症状(標)を和らげるだけではなく、何故そのつらい症状が発生したのか、四診法を使い病態の本質(本)を探り治療します。
実際の治療では、急性疾患には「標治」を主に、慢性疾患には「本治」を主に、いずれの疾患にも「隋症療法」によって、総合的な全身治療をおこないます。
鍼灸治療では、「標治」と「本治」どちらも車の両輪のように、大切な治療法です。

鍼灸治療の薦め。

 東洋医学には未病という概念があります。
それは、身体の「気・血・水」に変調を来たした状態を放置すると、本当の病気になってしまう可能性が高い状態を言い、「自覚症状は無いが検査では正常範囲外」 或いは、「自覚症状は在るが検査では正常範囲内」 これらはどちらも既に、半分病気になっている状態を示します。
例えば、所謂「生活習慣病」 の前段階などを指します。
昔から東洋では、本格的な病気にならないうちに未病の段階で治してしまう、
「養生法」 (健康管理) が広くおこなわれていました。
鍼灸治療は、こうした未病の治療にも効果を発揮します。

 鍼灸治療は、病院ではなかなかよくならない病気、痛み、日常生活の中で様々なストレスにさらされて疲弊した心身の不調を総合的な治療によって改善し、Quality of Life, QOL(生活の質)を向上させる医療です。





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